アパレル業界に就職したけど、粗利率とか原価とかよく分からない…!
正直数学とか計算とか苦手で、先輩の言っていることもちんぷんかんぷん。
数学とかが苦手でも、粗利とか掛率とか出来るのかな?
こんな疑問に答えます!
この記事を書いている私は、現役で外資系アパレル企業の内勤OLとして働いています。
ホールセール部門で約10年ほどアシスタントとして働いている私はバリバリの文系で、
数学やら、計算式やらがちんぷんかんぷん状態から営業部門の仕事をスタートしました。
そんな数学と数式とかが大の苦手だった私がアパレル業界で使う計算方法を解説します!
粗利率・原価率・掛率の計算方法
「粗利」
売上から原価を引いた、純利益のことを粗利と言います。
小売りを生業としている人はこの粗利のために、日々働いていると言っても過言ではないくらい、
とても重要でな言葉です!
計算式は以下になります。
粗利=売上−原価
1000円で仕入れたものを1500円で売った場合、
1500円−1000円で、粗利は500円になります。
「粗利率」
粗利率は売上に対する、粗利の割合のことです。
営業会議や上司とのやりとりでは、粗利と、粗利率をセットで求められる場合がほとんどです。
必ず覚えておきましょう!
粗利率=粗利÷売上×100
1500円の売上で、粗利が500円だった場合の粗利率は、
500÷1500×100=33%というとになります。
「原価率」
売上に対する原価の比率のことを原価率と言います。
ざっくり言えば、商品を作る上で、材料費がどのくらいかかったかということですね。
原価率=原価÷売上×100
上代10,000円の商品を作るのに、3,000円の経費が掛かった場合、
3000÷10000×100で、原価率は30%ということになります。
業界によって、原価率は相場が決まっていますが、アパレル業界は大体30%が相場で、外資系アパレルブランドの中には25%という原価率のブランドもあります。
「掛率」
掛け率とは上代(販売価格)に対する下代(仕入れ金額)の割合のことです。
掛率は上代と下代が分かっていれば、すぐに求めることが出来るので、覚えておきましょう!
掛率=下代÷上代×100
6,000円(下代)÷10,000円(上代)×100=60%(掛率)
上代・下代・掛率についてはこちらの記事を読んでみて下さい。
会社内で先輩たちが放している「利益率は~」「粗利どのくらい?」などの会話を聞くと、「ヤバい・・・大丈夫かな・・・」と心配になります(泣)
モチ子も転職した当初は、「粗利?率??」と不安でしたが、実際に解き明かして見ると、簡単だったよ!
初めてのことばかりで、仕事に慣れたり、人間関係を構築したり、会社なりのルールなどを覚えることが一杯で、周りがみんな仕事が出来る人に見えます!
モチ子も気づけば今の会社に勤めて10年選手のベテラン社員だけど、最初は他の部署の営業や、先輩たちがみんな仕事がバリバリ出来る人に見えて、「ヤバい!やっていけるかな!」なんて不安に思っていた時期もあったよ!
慣れてくると以外に難しい顔はしていても、会議している内容は難しいものではないことが殆どだから、大丈夫!
先輩たちが使ってる用語が分からなくて、聞くタイミングを逃がして「こんな言葉も知らないの?」とか思われちゃうかな・・・と心配です。
仕事が出来そうに見える先輩たちも、最初は同じ無知からのスタートだよ!
肩の力を抜いて行こう!
ありがとうございます!やっていける気がしてきました!
アパレル業界でよく使われる計算式や平均値は?
モチ子の会社では値引き計算は頻繁に使います。
特にホールセールでは直営店のセール同様、取引先でも同じ割引率でセールを行うので、委託取引先ではセール対象商品の売上明細を元に、値引き計算を行います。
委託取引先とは
・他より高い掛け率が設定
・掛け率60〜65%が平均
・商品の貸し出しに近く、毎月売上明細を貰い、売れた金額だけ請求
・基本的にしょうひんは貸し出しで、シーズンエンドには返却
という条件の取引先のことを言います。
セール期間中に売れた商品を通常の掛け率からセールのオフ率分を値引き計算して請求します。
「値引計算」
値引き計算とは、スーパーなどでよく見る「3割引」、セール会場などで見る「30%オフ」の値引き後の金額を算出する計算式の事を言います。
値引き計算は、営業とかではなく、本当に日常生活が便利になるのと、この考え方で営業に必要な計算はクリア出来ると思うくらい大切です!
値引後の価格(○%オフの場合)=商品価格×100%にするためにセール割引にあと何%必要か
値引後の価格(○割引の場合)=商品価格×10割にするためにセール割引にあと何割必要か
この、「あとどのくらい必要か」の考え方が
数字苦手族にはとても重要になります!!
10,000円の商品がセールで60%オフになっていた場合、このような計算式になります。
10,000円×60%を100%にするためにはあと40%(0.40)=4,000円
1,000円の商品が6割引だった場合の計算式はこちら↓
1,000円×6割引を10割引にするためにはあと4割(0.70)必要=400円
この、「あとどのくらい必要か!?」の考え方を取り入れるだけで、色々な計算式がみるみるわかるようになります!
「オフ率(割引率)」
オフ率とは、よくセールなどで記載されている「60%OFF」という数字のことです。
6割引きという意味ですね。この、60%(6割)という数字がオフ率です。
ちなみにオフ率の計算式はこんな感じです。
オフ率=(1-(セール価格÷定価))×100
数字苦手族からすれば、1-(セール価格÷定価)の1の意味がわからないのではないでしょうか?
私もそうでした!
そんな同族たちのために、簡単な覚え方をお知らせしちゃいます!!
順番に解説していきます。
オフ率=(1-(セール価格÷定価))×100
①まず、セール価格÷定価を計算する。
4000円(セール価格)÷10000円(定価)の場合、0.4となります。
②つぎに、1-0.4をします。
1-0.4=0.6
③最後に、100を掛けます。
0.6×100=60%
②が一番のポイントで、0.4を1にするために、あとどのくらい必要か!?を 思い出しましょう!
0.4を1にするためには、あと0.6必要ですね!
その考え方にシフトすると、(1-(セール価格÷定価))×100も、こんな感じになっちゃいます。
(セール価格÷定価)を計算したら、そこにあといくつ足せば1になる?を考え、それに100を掛ける
(4,000円÷10,000円)=0.4→あと0.6足せば1になるので、0.6に100を掛けると、60となる!
1から何かを引くとかいう数式を見ると難しそうに見えるものも、考え方を「あとどのくらい足せば?」にシフトすると、難しそうに見える数字も、簡単なものになりますよ!
モチ子の会社では暗黙の了解で、人員は欲しいけど、人件費は安く抑えたい場合など、オープンポジションで販売スタッフから人員を選ぶ時があります。
モチ子の経験上、異動してきたばかりのスタッフは99.9%の確率でExcelはじめ、計算式などが得意ではありません!
ホールセール部門に移動してきた販売スタッフにはこの「あとどれくらい足すか?」のスタイルで教えると、大体が理解してくれます。
アパレル業界の平均値
アパレル業界では基本的な平均値が暗黙の了解で決まっています。
基本的な平均値を見て行きましょう。
・原価率:30%
・粗利率:40%
・掛率:55%(買取) ※委託の場合には60%
・割引率:30%
大体、この平均値になるように、上代を決定したり、オーダー数量を決定したりしていきます。
色々な業界で平均値が決まっていて、アパレル業界に関してはこちらが平均値になります。
例えば、ファッションセンターしまむらは原価率が65%も掛かっているそうです。
それは薄利多売を意味していて、比較的便利の場所にお店を構えていることで、高い家賃や人件費を抑えることをしているんだと想像が出来ます。
また、セレクトショップや百貨店などで売られているプライベートブランドの原価率は大体、25%と言われています。
例えば、上代20,000円のセーターの原価率が25%だと、原価は5,000円となり、50%オフで販売しても、50%の粗利が残る計算となります。
まとめ
「粗利」:売上から原価を引いた、純利益のこと
粗利=売上−原価
「粗利率」:売上に対する、粗利の割合のこと
粗利率=粗利÷売上×100
「原価率」:売上に対する原価の比率のこと
原価率=原価÷売上×100
「掛率」:上代(販売価格)に対する下代(仕入れ金額)の割合のこと
下代÷上代=掛率
「値引計算」: 値引き後の金額を算出する計算式の事
値引後の価格=商品価格×100%(10割)にするためにセール割引にあと何%(何割)必要か
「オフ率(割引率)」:セールなどで割り引かれる率のこと
オフ率=(1-(セール価格÷定価))×100
値引率やオフ率、セール価格などどのくらい安くなるかを計算するときには、「あとどのくらい必要か」を考える!
いかがだったでしょうか?
難しい・・・と決め込んでいた計算式も、考え方を変えるとこんなに簡単なものになるのです。
アパレル企業であれば、ここまで知っていれば営業部隊やMDでも十分戦力になれます!
実際に外資系アパレル企業で営業アシスタントとして働いているモチ子が、現場から生の声をお届けしました!